技術顧問の五十嵐(igaiga)です。RubyKaigi Takeout 2021 が9月9日〜11日の3日間で開催されました。
弊社クルーバーもスポンサーとしてRubyKaigiを応援するとともに、何人かのメンバーが業務の一環として参加して講演を聞きました。オンラインでの開催で、世界中から多くの開発者さんが興味深い話をしてくださいました。
JITに関連する話はRuby本体に入っているMJITがついにRailsを数%高速化した話をk0kubunさんが行ったほか、Maximeさんが話すYJITは実戦投入されていて、Railsも10%程高速化し、開発者も10人程の大人数でやっていることが驚きでした。加えて、2日目の基調講演でChrisさんがShapeというインスタンス変数のデータの持たせ方についての提案を行ったり、ブラッドさんがつくっているMIRについてk0kubunさんが言及されたりと、JITに関連した多くの話題が提供されました。話された話題の中でRuby3.1や今後のRubyに入る機能があるかもしれないのは楽しみです。
開発環境改善の話題では型定義ファイルrbsがRuby3.0で入ったあとに進化を遂げていて、mameさんの基調講演ではVSCodeで型を表示するコメントやメソッド補完、ko1さんの講演ではデバッガであるdebug gemが動いていたりと一気に進化していました。WindowsでもMacでも動くVSCodeでいろいろな機能が使えることは教育現場の観点からもありがたいです。
参加メンバーの一言感想
hotoolong
Railsをメインに活動しているフリーランスのhotoolongです。
今回のRubyKaigi2021 takeout ではIDE連携、JITなどの高速化、Ractor、型定義などの話題がメインでした。
静的型付け言語が最近の主流ですが、LSPによる入力補完が強化されることにより速くコードが書けそうですし、JITやRactorとの連携でいままで遅いと言われているRubyがより速く動ごき更にはメモリ消費が少なく動く未来が近づいているのではないかと希望が持てました。
Ruby3.0よりも更に三倍はやくするという話も出ていたので遅いと言われるRubyの進化が今後も楽しみです。
しゅう
講演「TypeProf for IDE: Enrich Dev-Experience without Annotations」
静的型付けが好きな一番の理由は、まさにRubyKaigiで紹介された様にIDEからのサポートがとにかく強力で書きやすく、型チェックの安心感もあることです。Rubyの様な柔軟な言語に強力なIDEサポートが加わるのがとても楽しみで、待ち遠しいですね。
igaiga
ko1さんのdebug gemはVSCodeで変数の中身が見えたりブレークポイントを作成したりとIDEとの統合が進んでいて便利に感じました。Ruby3.1に標準添付されると、Gemをインストールする必要もないので、初学者向けの書籍でも説明しやすいのが助かります。
どの講演も興味深かったですが、「Parsing Ruby」はRubyの文法とパースの歴史が調査解説されていてすごくおもしろかったです。
そのほかにも
ほかにも、はすみさんのキーボード上でRubyを動かす話や、mrknさんのグラフをRubyから簡単に描けるChartyをJupyter Notebookと組み合わせて便利に使えるデモは興味深かったです。
しおいさんのプロトコル自作にima1zumiさんのエンコーディング自作、udzuraさんのバイナリ組み立てにosyoさんのAST黒魔術、tagomorisさんとunasukeさんのRactorの話など、作ってみた系の話も本当にすごいなと楽しみながら観させていただきました。
たのしさにあふれた3日間でした!
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また、弊社クルーバーはRubyKaigi Takeout 2021をスポンサーとして応援しました。素晴らしいイベントを運営してくれたスタッフのみなさんに感謝します。
クルーバーでは一緒に開発するメンバーを大募集しています!